Andersen LIVING

01Life with Ocean.
Life with Fire.

TED SURFオーナー

introduce
TED SURF

1964年。その年、日本はアジア初となる東京オリンピック開催に湧きたっていました。東海道新幹線、東京モノレールの開業。また日本初の外資系ホテル開業など、日本の近代化が加速度的に進んだ歴史的な年となりました。そしてこの年、カリフォルニアから「サーフィン」というカルチャーを持ち込み根付かせるきっかけを作った男性がいます。それがTED SURFの初代オーナー、”Ted”こと阿出川輝雄さんでした。2020東京オリンピックから競技として採用され、サーフィンは「スポーツ」としての地位を確立しました。しかし、1960年台の日本で彼が発信したのは、サーフィンを取り巻くファッションやライフスタイルといったカルチャーそのものだったのです。 

 

風に乗る楽しさを知った10歳。
ウインドサーフィンを極めるために18歳でハワイに。

子供の頃から、父に連れられて海に行っていました。サーフィンを始めてやったのは6歳の時。でも怖かったんですよ、海が。というより、サーフィンに関してはスパルタな父が怖かったんですね。そして両親がお店に立って仕事をする姿を見て大変そうだなと思っていましたから、大きくなったら自分もサーフィンを仕事にとは考えませんでした。ただ、子供心に父や母、そしてサーフィン仲間の大人たちを見て、かっこいいなとは思っていました。当時の白里は、まだまだコアなサーフスポットの一つ。いわゆるサーファーのファッションで歩いている人などいない時代です。最先端でしたし、ステレオタイプではない、個性をもった大人たちでした。友達のお父さんとも全く違う。あのかっこよさには憧れがありました。わたし自身がサーフィンにのめり込んだのはウインドサーフィンに出会ってから。10歳の頃です。風に乗る楽しさに夢中になりました。そしてウインドサーフィンを極めたくてハワイのマウイ島に留学しました。

 

居間には暖炉。
それが我が家の暮らし方でした。

TED SURFでは当初、父だけでなく母もサーフボードを作っていました。後にも先にも、女性でボードを作っていたのは日本ではうちの母だけじゃないでしょうか。そんな家庭で育ちましたので、暮らし方もアメリカテイストに溢れていました。居間には手作りの暖炉。ですから私にとって、暮らしの中に炎のゆらめきがあることは、当たり前のことでした。TED SURFに薪ストーブを導入したのは、海から上がった身体を温めるため。ところが、ある気付きがありました。ただ海から上がってきてSHOPでコーヒーを飲んでいるよりも、薪ストーブを囲んでいると、お客様との会話は少なくても1時間などあっという間。1日が、より良いセッションになると感じています。そこに火があることで人が集う。コミュニケーションが生まれる。そんな力が炎にはあると、改めて感じます。

 

―阿出川家の薪ストーブは現在2代目。その暮らしについても、ご自宅に伺い奥様に伺いました― 

自然と家族が集う場所。

実はわたしの実家には、かつて囲炉裏があったんです。主人と同じく、子供の頃から家の中に炎がある暮らしでした。ふたりの子供たちは、宿題をするにも遊ぶにも薪ストーブの前になんとなくきてやっていますね。ここは自然と家族が集まる場所になっていると思います。この家は、阿出川の父と母がスウェーデンから資材を輸入して、工務店さんに組んでもらった家。この木の壁が薪ストーブによって暖められるので、お天気のいい日は薪ストーブだけで2階まで柔らかい暖かさがありますから、エアコンはいらないくらいです。今、こうして薪ストーブの炎を見ていると、なんだかそれだけで癒される。火には不思議な魅力があるなあと改めて感じています。

―改めて阿出川潤さまに、薪ストーブとは?を伺ってみました―

それは、ライフスタイルを体現するカルチャー。

薪ストーブは、火を点けるのもめんどくさいし、燃やしすぎないように調節も必要だったりして手がかかります。薪だって、常に用意しておかなければなりません。そして、今の世の中、暖を取る方法は他にいくらでもあります。それでも薪ストーブのある暮らしを選ぶのは、サーフィンと同じ。それは、自分のライフスタイルを体現するためのもの。カルチャーそのものなんです。父や母から受け継いだDNAでもあるのでしょう。こだわり抜かないとダメな人種なんですよね。

 

TED SURF SHOP

〒299-3202 千葉県大網白里市南今泉4881-20
営業時間:土日8時〜16時・平日10時〜16時・木曜定休
https://www.tedsurf.com/

阿出川潤

国内ウィンドサーフィンのコンテストに出場しながら、専門誌の執筆活動などトリップやライフスタイルを伝えるフリーライダーとして活躍。その後カイトサーフィンやSUPをはじめ、ストームコンディションから穏やかな海までコンディションにあわせた遊び方を中心としたライフスタイルを発信。Patagonia(パタゴニア)アンバサダー

撮影取材 2022.12.24 撮影:水埜公喜 space photo 文章:関口真理子 かりさ屋 ディレクション:北脇康太郎 Plain consulting

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